認定申請の準備を進める中で、 「とりあえず様式を開いて書き始める」という進め方になっていませんか?
様式10-2を書きながら教育課程を考え、 様式3を書きながら学校の特徴を整理する。
気づけば、“書きながら考える”状態になっている学校は少なくありません。
書類を書き始めてから考えると、最後に、「なんとなく整わない」という違和感が残ります。
本来は、書類を書く前に整理しておくべきことがあります。
そして実は、多くの学校が「何を整理すればよいのか」を明確にできていません。
この記事では、 書類作成に入る前に考えておくべきポイントを、あえて少しだけ整理してみます。
「まだ書き始めていない方」も、 「すでに書き始めている方」も、 一度立ち止まって考えてみてください。
なぜ“書きながら考える”と失敗するのか
認定申請では、書けるところから手を動かしてしまいがちです。
一つひとつの様式は埋まっていても、設計全体の一貫性は後回しになります。
問題は、書いている最中には気づきにくいことです。
面接審査の練習をしたとき、あるいは審査官に問われたときに、初めてずれが表面化します。
「なぜこの課程設計なのですか?」
「その到達目標に対して、この科目配分で十分ですか?」
「修了判定は、どの考え方に基づいていますか?」
こう問われたとき、説明が一文でつながらない。不整合は文章の問題ではなく、順序の問題です。
だからこそ、書く前に設計を整理することが必要なのです。
本来は“書く前に考える”
申請様式は、何を書くかは示してくれますが、どの順序で設計を考えるべきかまでは示してくれません。
そのため、様式を開いた瞬間に、記入から始めてしまいがちです。
しかし、本来の順序は逆です。先に教育課程の全体像を整理し、設計の骨格を固める。
そのうえで様式に落とし込む。
設計が固まっていれば、各様式の記述は自然につながります。
では、何から整理すべきか。次章でそのステップを示します。
では、何を先に考えるべきか
認定申請の書類は、様式を埋めれば完成するものではありません。
書く前に、教育設計をどの順序で整理するかによって、作業の効率も説明の一貫性も大きく変わります。
設計が固まっていれば、様式ごとに迷うことはありません。
ここでは、書類作成に入る前に整理しておきたい設計のステップを示します。
① どの課程を、何のために設置するのか
まず明確にすべきは、「課程の目的」と「その課程を設ける必然性」です。
課程の目的は、理念を具体化するものでなければなりません。
そのうえで問われるのは、その課程が誰に向けたものなのか、そして卒業後にどこへ接続する設計なのかという具体性です。
例えば、
・主な募集対象国はどこか
・想定する進路は大学進学か、専門学校か、特定技能就職か
これらが曖昧なままでは、教育内容も評価設計も定まりません。
課程の目的は、様式3の理念から始まり、様式10-1の到達目標、様式10-2の科目構成、さらには修了要件へと貫通する上流工程です。
② どんなレベル構造で設計するのか
課程の目的を定めたら、次に整理すべきは教育課程全体のレベル構造です。
問われるのは、各段階がどの水準を想定し、どのような到達像に向かって積み上がっていくのかという論理です。
例えば、
・各レベルの到達目標は具体的に定義されているか
・学期ごとの時間配分に根拠はあるか
・修業期間(1年・1年6か月・2年)との整合性は取れているか
レベル構造が曖昧なまま科目を並べると、後から時間数や到達目標を調整することになり、設計は崩れます。
③ 到達目標と科目は対応しているか
レベル構造を定めたら、次に確認すべきは「到達目標」と「科目」の対応関係です。
様式10-1に掲げた到達目標が、様式10-2の科目構成によって本当に達成できる設計になっているか。ここが曖昧なままでは、教育課程は説明可能な構造になりません。
到達目標は理念の延長線上にあり、科目はその実装です。
両者の対応関係を説明できる状態かどうか。
ここを整理して初めて、教育課程は“形”ではなく“構造”になります。
④ 評価と修了は何を根拠にするのか
到達目標と科目の対応を整理したら、次に確認すべきは「評価」と「修了判定」の設計です。
修了要件は、出席率の数値を決めれば終わり、という話ではありません。
重要なのは、到達目標の達成度・履修状況・出席状況をどのように組み合わせて修了を判断するのか、その構造を説明できるかどうかです。
例えば、
・出席率は成績評価の中に含めるのか、別基準とするのか
・最終期のみで判定するのか、全期間を対象とするのか
・修了に至らなかった場合の取扱いは明確か
これらはすべて、教育課程の設計思想と連動します。
修了要件の具体的な考え方(履修の整理、出席率80%の扱い、成績との関係、不合格時の対応など)については、別記事で詳しく整理しています。

設計が固まっていない状態で書くと何が起きるか
設計が整理されないまま書類作成に入ると、記述は様式ごとに個別に積み重なっていきます。
一つひとつの欄は埋まっていても、全体として読み返したときに、説明の軸が見えなくなります。
例えば、理念では「進学支援」を掲げながら、到達目標は抽象的で、科目配分は会話中心になっている。
あるいは、到達目標と評価基準が結び付かず、修了判定の根拠が説明できない。
こうしたずれは、書いている最中には気づきにくく、最後に整合性を確認した段階で表面化します。
その結果、すでに作成した様式を何度も書き直すことになり、作業は前進ではなく修正の繰り返しになります。
さらに問題なのは、設計の不整合は文章上の問題にとどまらないという点です。
教育課程の骨格が曖昧なままでは、面接や実地確認の場で説明が揺らぎます。
書類の不整合は、設計の曖昧さの表れです。
だからこそ、様式を埋める前に、設計を固めておくことが重要になります。
まとめ
認定申請における書類作成は、様式を埋める作業ではありません。
教育設計を、第三者に説明可能な形で言語化する工程です。
課程の目的、レベル構造、到達目標と科目の対応、評価と修了の根拠。
これらが一本の線でつながっていれば、各様式の記述は自然と整います。
逆に、設計が固まっていない状態で書き始めると、後から整合性を合わせる作業に追われることになります。
書類を書く前に、設計を固める。
その順序を守るだけで、作業効率も説明の説得力も大きく変わります。
もし、どこから整理すればよいか迷われている場合は、設計の骨格を一緒に確認するところから始めることも可能です。お気軽にご相談ください。
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