日本語教育機関の認定申請において、多くの学校が直面する大きな壁のひとつが「面接審査」です。
書類審査を突破しても、面接の段階でつまずいてしまうケースは少なくありません。
面接は単なる形式的な手続きではなく、「提出された書類が、実際に学校の運営として成り立つものか」を確認するための重要なプロセスです。では、面接ではどのような点が問われるのでしょうか。ここでは、これまでの公表資料や支援経験を踏まえて「よく確認されると考えられる観点」を整理します。
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よく問われるテーマ
1. 教育課程と到達目標の整合性
教育課程の設計は、認定審査の中でも最も重視される部分です。
例えば卒業時の到達目標をCEFRのB2と設定するなら、本来それは学生の進路(就職や進学)のスケジュールから逆算して決められるべきものです。したがって、到達目標と進路上の必要時期がずれていること自体、本来は起こり得ません。
例えば、それが書類上で確認できなかったり、疑問を持たれた場合に「このタイミングで必要な日本語力をどう考えているのか?」「その日本語力をどう担保するのか?」といった質問が投げかけられる可能性があります。
説明が不十分だと設計の実現可能性に疑問を持たれてしまいます。
2. 学生像と支援体制のリアリティ
申請書類には「想定する学生像」を記載しますが、面接ではその像と教育課程・支援体制のつながりが問われます。
例えば、非漢字圏の学生を受け入れるとしながら、初級から中級への進度を短期間で設定していると、現実性が乏しいと見なされます。逆に、学習の進度を必要以上に緩やかにしてしまうと、卒業までに目標レベルに到達できない計画だと判断されかねません。
「受け入れる予定の学習者にはどんな特徴があると考えていますか?」や、「その学習者にとって、このカリキュラムではどんなつまづきがあると考えられますか?」など、学習者の理解がどれだけできているのかについて、確認される可能性があります。
3. 評価方法の妥当性
修了認定は単に成績をつける作業ではなく、学生が次の進路や在留資格を得る根拠にもなるため、その方法が合理的であるかどうかが厳しく見られます。
自己評価を一定の割合修了要件に含めていた場合など「自己評価は具体的にどのように評価を行うものですか?」や、「なぜこの科目で自己評価をこの割合に設定したのですか?」など、この評価設計にした理由やそれによってどんな効果があるのかなどについて詳しく確認される可能性があります。
4. 教員体制・経験の裏付け
教員の配置も、面接で必ず確認されるテーマのひとつです。
例えば、経験の浅い教員を配置する場合、その判断がどのような教育的意図に基づいているのかを明確に説明できなければなりません。「人材が不足しているから」「順番的にそうなった」という説明では納得されません。
「同じ経験年数〇年の先生で、A先生とB先生ではなぜ担当コマ数やレベルの範囲が異なるのですか?」といった形式の質問をされる可能性が考えられます。
5. 在籍管理や生活支援の体制
面接では、教育課程だけでなく運営管理の体制についても詳しく確認されます。
特に、入管への定期報告や公欠・休学の扱いといった在籍管理のルールが不明確だと、学校のコンプライアンスや運営の信頼性そのものが疑われてしまいます。
「就職活動で授業に出席しない場合は、修了要件としての出席率においてどのように扱いますか?」や、「その際の進度についてはどのようにフォローしますか?」といった内容について確認を受ける可能性があります。
面接でつまずきやすい回答例
面接で評価を落とす典型的なパターンは次の通りです。
曖昧に逃げる
「問題ないと思います」「担当者に任せています」
書類と食い違う
書類に書いた数字や方針と異なる説明をしてしまう
3者の答えがバラバラ
設置者・校長・主任で説明が食い違い、一貫性を欠く
非現実的な答え
「学生は全員合格できます」「トラブルは起きません」
まとめ
認定申請の面接審査は、書類では確認しきれなかったことを直接その場で確認するものとなっています。つまり、書類には書かれていないことや、書類に書いたことを「なぜこのように決めたのか」について回答する機会であるということです。
書類作成の完成度を高めることはもちろん重要ですが、それだけでは合格に届きません。何を質問される可能性があるのかを想定し、それに対して回答が用意できる状態になっているかどうか、今一度ご確認ください。
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