日本語学校を設立したいけれど、何から始めればいいのか分からない——そんな方のために、この記事では「認定日本語教育機関」としての設立に必要な全ステップを、フェーズごとにわかりやすく解説します。2024年の制度改正を踏まえた最新版の情報をお届けします。
外国人留学生を「留学ビザ」で受け入れるには、文部科学省から認定を受けた日本語教育機関(認定校)である必要があります。
この記事では、文部科学省の認定を受けた「認定日本語教育機関」を新たに設立するために必要な3つのステップ(申請準備・審査・運営準備)と、それぞれのフェーズで求められる要件・準備事項を分かりやすく解説します。
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日本語学校設立に必要な3ステップ
日本語学校を設立するためには、以下の3つのフェーズを順に進めていく必要があります。
ステップ1:申請準備フェーズ(1〜3か月目)
申請準備フェーズでは、学校の基本となる事項を決めていきます。また、中心的な人材である校長、主任教員、事務局長の採用も行っていきます。
このフェーズでは、学校設立の基本方針を固め、認定申請に必要な土台づくりを行います。
- 理念・方針の設計:どんな学校にしたいのか、目的や特色を明確にします。
- 資金計画の策定:安定した運営のため、3年分の運転資金を確保しておくのが理想です。
- 校舎・設備の準備:自己所有が望ましく、学生1人あたり2.3㎡以上の教室面積が必要です。
- 人材の確保:校長・主任教員・事務局長の3名を採用し、各人が基準を満たしている必要があります。
- 認定申請書類の作成:カリキュラム、教員体制、財務状況、エージェント情報などを網羅した書類を整備します。
ステップ2:認定審査フェーズ(4〜10か月目)
文部科学省に認定申請を行い、審査を受けるフェーズです。おおよそ6か月を要します。
- 書類提出:提出書類は詳細かつ整合性が求められます。
- 実地確認:施設・設備が要件を満たしているか現地で確認されます。
- 面接審査:カリキュラムや教員体制の適切さについて問われます。
- 審査結果通知:結果は書類提出から約6か月後に届きます。
※主任教員の資格・経験が問われるケースが非常に多く、注意が必要です。
ステップ3:運営準備フェーズ(11〜15か月目)
認定審査の結果「可」となった場合には開校に向けて準備を行っていきます。審査開始後から開校までの6か月間において、開校後の体制を確認していきます。
審査に通過した後、開校に向けて最終準備を行うフェーズです。
- 教員の最終確保と研修
- 学生募集体制の構築(現地エージェント、広告運用)
- カリキュラムの最終確認
- 学生管理体制・生活支援体制の整備
これらを経て、晴れて日本語学校を開校することができます。
認定校設立にあたっての注意点と成功のポイント
1. 告示校から認定校への移行の理解
2024年以降、留学生を「留学ビザ」で受け入れるためには、認定校であることが必須です。新しく設立される日本語学校は、文部科学省の認定制度に基づく設立・運営が前提となります。
2. 審査基準の事前確認
特に以下の点で基準を満たしていることが問われます:
- 責任者(校長・主任・事務局長)の経験
- 学生数に応じた教員配置(本務等教員:学生40名に1名)
- 出席管理・在留支援体制の整備
3. カリキュラム設計は「参照枠」ベース
文科省の指針に従い、「卒業時にどのような力を持っているか」から逆算して設計します。
よくある失敗例と対策
校舎の要件不足
多くのケースで、認定基準を満たさない物件を前提に準備が進んでしまい、結果として審査に通らないケースがあります。
例えば、賃貸物件で教室面積が不足していたり、窓のない教室を使用していたりするケースです。
事前に図面を確認し、2.3㎡/人の教室面積や換気・採光の条件など、細かい基準を満たしているかをチェックしましょう。必要に応じて建物の所有形態や契約内容も見直す必要があります。
主任教員の経験不足
主任教員は「教員歴3年以上」が条件ですが、それだけでは不十分な場合があります。重要なのは、カリキュラムの編成や教員指導を含む「教育マネジメント経験」があること。
面接審査では具体的にどのような教務経験を積んできたかが問われるため、ただの授業経験だけでなく、研修の実施・教材開発などの経験が求められます。候補者の過去の実績を具体的に確認し、記録に残すことが重要です。
資金計画の甘さ
開校直後は学生数が安定せず、収入が想定を下回るケースが少なくありません。運転資金を確保できていないと、教員給与や施設維持費が払えず、経営難に直結します。
少なくとも3年分の赤字を想定したシミュレーションを行い、自己資金・融資・補助金のバランスを検討しましょう。また、認定申請時には債務超過でないことも求められるため、財務状況の健全性も忘れずに整えておく必要があります。
まとめ
日本語学校の設立には、綿密な計画と多岐にわたる準備が必要ですが、正しい情報をもとに進めれば成功は十分可能です。設立後の運営を安定させるためにも、認定校基準を満たすための徹底した準備が欠かせません。
設立に向けて準備している中、この物件では要件を満たしているのか?や、申請にあたってどんなリスクが考えられるのか?など個別のご相談事項がある場合には、ぜひお問い合わせください!
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