認定日本語教育機関の学費相場はどれくらい? 進学・就職・地域別に傾向を整理

「認定日本語教育機関になると、学費はどのくらいが相場なのか?」
設立を検討している方だけでなく、すでに学校を運営している方からも、よく聞かれる質問です。

実際に認定を受けた学校の学費を見てみると、一律に高いわけでも、安いわけでもなく、修業期間や課程の目的、学校の設計思想によって幅があることが分かります。

この記事では、認定校の公開データをもとに、学費の平均・最高・最低や、進学・就職別、地域別の傾向を整理しながら、「なぜその価格になるのか」「どう考えると納得しやすいのか」を分かりやすく解説します。

相場感をつかみたい方の参考になれば幸いです。

目次

分析対象とデータの前提条件

この記事では、認定日本語教育機関として認定を受けた学校が公表している学費情報をもとに、全体の相場感や価格の傾向を整理しています。対象は、2024年〜2025年に認定された学校のうち、主に「留学のための日本語教育課程」を中心としつつ、一部、就労を目的とした課程も含めて分析しています。

学費は、入学金・授業料・施設費などを含む「納付金合計額」を基準にしています。あくまで公開情報をもとにした整理のため、個別の割引や追加費用までは反映していません。

ここでは「高い・安い」を評価することが目的ではなく、認定校ではどのくらいの水準で学費が設定されているのか、その全体像をつかむための参考情報としてまとめています。

修業期間別に見る学費の平均・最高・最低

修業期間2年1年9か月1年6か月1年3か月1年
平均1,645,302円1,493,462円1,255,296円1,121,900円925,436円
最高額2,300,000円2,042,500円1,785,000円1,198,350円1,260,000円
最低額1,340,000円1,310,750円1,045,000円1,046,000円758,000円

まずは、修業期間ごとに学費の相場を見てみましょう。最も件数が多い2年課程では、学費の平均はおおよそ160万円台で、多くの学校が150万〜170万円前後に設定しています。一方で、専門分野に特化した課程などでは200万円を超えるケースもあり、設計次第で幅があることが分かります。

1年6か月課程になると、平均は120万円台〜130万円台が中心です。2年課程より単純に4分の3になるわけではなく、授業密度や進学支援の内容によって金額差が生じています。

1年課程・1年3か月課程は100万円を下回る例も見られますが、短期集中型や就職準備目的の場合は、期間が短くても一定の水準を保っている点が特徴です。修業期間は、学費を決める一要素にすぎないことが読み取れます。

進学課程と就職課程で学費はどう違うか

認定校の学費を見ていると、「進学課程」と「就職課程」では、金額の差そのものよりも“差が生まれる理由”が違うことが分かります。

今回のデータでは、進学課程の方が価格帯の幅が広めでした。特に、専門分野(美術・理系など)や探究型の要素が入ると、同じ修業期間でも学費が上振れしやすく、学校ごとの設計が価格に表れています。

一方で就職課程は、(データ上は)価格帯が比較的まとまりやすい傾向が見えました。就職支援を含む課程でも、まずは「一定の相場感」に合わせ、その上で内容を工夫している学校が多いのかもしれません(※就職課程は件数が少ないため、今後データが増えると見え方が変わる可能性はあります)。

いずれにせよ、学費は「進学か就職か」だけで決まるものではなく、どんな学生に、何を提供する課程なのかをセットで見ることが大切です。

専門分野特化型(美術・理系・ビジネス)の価格傾向

美術系、理系、ビジネス日本語など、専門分野に特化した課程は、全体的に学費が高めに設定されている傾向があります。データを見ても、2年課程で180万円〜200万円超となっているケースの多くは、こうした専門特化型の課程です。

その理由はシンプルで、一般的な日本語教育に加えて、専門分野に対応した指導やカリキュラム設計が必要になるためです。専門用語への対応、進学・就職先を見据えた指導、場合によっては少人数制の運用など、学校側のコストや手間も大きくなります。

専門特化型の学費は「高い」というよりも、「誰に・何を提供する課程なのかが明確」な分、その価値を価格で説明しやすい設計と言えます。認定制度下では、こうした分かりやすい設計が、学費の妥当性を支える要素の一つになっています。

地域別に見る学費水準の違い

学費を地域別に見てみると、東京とそれ以外の地域では、やや傾向の違いが見られます。東京の学校では、2年課程でおおむね160万円台後半に設定されている例が多く、全体として少し高めの水準にあります。一方、地方の学校では150万円台前半から中盤に収まっているケースが目立ちます。

ただし、この差は単純に物価や家賃の違いだけで説明できるものではありません。東京の学校では、進学先や就職先の選択肢が多いことを前提に、進路支援や付加的な学習内容を組み込んだ設計になっている場合も見られます。

地方の学校では、地域との連携や地元就職を見据えた設計など、別の強みを前提に学費が設定されているケースが多く、地域によって学費水準だけでなく、課程の考え方そのものに違いがある点が特徴です。

認定制度下で「学費の妥当性」はどう考えるべきか

認定制度下では、学費そのものに「正解の金額」があるわけではありません。重要なのは、その金額が課程の目的や内容ときちんと結びついているか、そして学校として説明できるかどうかです。実際、今回のデータを見ても、学費の水準には幅があり、一律の基準に収まっていないことが分かります。

認定審査で求められるのは、「なぜこの学費なのか」「その学費で、どのような教育や支援を提供するのか」が整理されていることです。進学課程なのか、就職を強く意識した課程なのか、専門分野に特化しているのかによって、学費の考え方が異なるのは自然なことと言えます。

学費の妥当性とは、他校と比べて高いか安いかではなく、学校の設計と価格が一貫しているかという点にあります。認定制度は、学費を縛る制度ではなく、その説明責任を求める制度だと考えると分かりやすいでしょう。

まとめ:学費データから読み取れる、これからの課程設計のヒント

今回、認定日本語教育機関の学費データを整理してみると、学費には明確な相場感がありつつも、学校ごとの考え方や設計によって幅があることが分かりました。認定を受けたからといって、学費が一律に高くなるわけではありません。

重要なのは、「どの学生に、何を提供する課程なのか」を学校自身が言葉で説明できることです。進学、就職、専門分野特化、地域連携など、課程の目的がはっきりしていれば、学費も自然と納得感のある形になります。

これから認定申請を考えている学校も、すでに認定を受けた学校も、学費を「他校に合わせるもの」としてではなく、「学校の方針を表す要素の一つ」として捉えてみてください。本記事が、自校の課程設計や学費を見直すきっかけになれば幸いです。

学費や課程設計について、「これでいいのか」と迷うことがあれば、まずは情報整理から始めてみてください。

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